気休め程度だけど、これで良くなってくれるといいな……。

 私はその後、空になった紙コップを捨て冷却シートを水樹君のおでこに貼った。

 ふぅ……これでとりあえずは良いかな。

 後はお家に連絡してもらわないと……。

 そう思って、先生に伝えに行こうとした時ある事に気付いてしまった。

 ……って、今更気付いたけど……。

 今、水樹君を保健室に二人きりってこと、だよね……?

 そう考えると一気に顔に熱が集中してきて、気を紛らわせるために大きく息を吐いた。

 水樹君は大人しい男の子で見た感じは……失礼だけど地味な感じであまり自分の意見を言おうとしない人。

 でも私はそんな水樹君のことが……好き。

 優しくて時折見せる笑顔が素敵でしっかりと自分を持っていて……そんな水樹君が大好きだ。

 もちろん友達としてじゃない。恋愛感情の好きなんだ。

 ……考えだすと恥ずかしくなってきた……っ。

 私はなんだかいたたまれない気持ちになり、先生を今度こそ呼びに行くために踵を返す。

「水樹君、先生呼んでくるね。」