「え?……それどういうこと?」

 正直しないと思ってたって……い、意味が分からない。

 思わず聞いてしまった私に、日葵はふふっと意味深に微笑んだ。

「だってあー見えて沢本君って初心なんだよ?だから本当にするとは思ってなかったんだよね~。」

 う、初心なの?あの沢本君が?

 沢本君はみんなに優しい爽やかさんだから男女問わず人気だ。

 だからその言葉の呑み込みが遅れてしまった。

 な、なんだか意外な一面を見てしまった気分……。

「そ、そうなんだ……。」

 信じられないけど……まぁ、そういう人もいるよねっ!

 適当に相槌を打ち、話を流し聞きする。

 私、本当のところ恋愛の話題はあんまり好きじゃない……。

 自分が恋してるくせに……って思われそうだけど、いたたまれない気分になっちゃうから。

 だから水樹君が好きだってことは日葵にしか話したことない。

 まぁ……日葵が言ったらどうもこうもないんだけどね……。

「で、返事はなんて返したの?」

 キラキラした瞳で興味津々に見てくる日葵。