まぁ借りるときに変なことを言ってた気もするけど……。

『姫奈ちゃんならいつでも使っていいからね!いつも頑張ってくれてるし!』

 その言葉の意味は正直分からないけど、私は心の中でもう一回先生に感謝を伝え、日葵と中に入った。

「よし、聞かせてもらおうかな!何でも話して!」

「ううっ、何でそんなに聞く気満々なの……。」

 テンションが妙に高い気がするし、不敵な笑みが見えるし……嫌な予感が……。

「さぁ、どんとこい!」

「うー……。」

 もうどうなっても私、知らないからっ!

 私は話した後のことを考えるのをやめ、あの日の出来事を洗いざらい話した。



「……ってことがあったの。」

 全部を話し終えてふぅ……と一息吐く。

 日葵にはとりあえず私の数少ない語彙力でなんとか伝えた。

 水樹君に押し倒されたこと、甘い言葉で敬語が外れていたこと、キス……されたことも。

 ……っ、こんなの恥ずかしいってレベルじゃないっ。

 恥ずか死ぬレベルだよ、これっ……。

 一方、日葵はというと瞳を異様なまでにキラキラさせて私を見つめていた。