「な、何でもないよ……。」

「嘘言わないで。」

　躱そうと思っていたのに日葵の無駄に良い勘で図星を言い当てられてしまった。

　ひ、日葵……これだけは勘弁して……。

　普通に考えてあれは言えることじゃないっ……！

「ほ、本当に何でもないから……っ。」

　もう半分やけになりながら私は日葵に反論する。

　でも瞬時に日葵に言いくるめられてしまった。

「姫奈が嘘をつくときはすぐ態度に出る。だからはぐらかそうとしたってダメなんだから。……ね、教えてくれても良いでしょ？」

「うっ……。」

　日葵には言葉で勝てる気がしない……とついに悟ってしまい、私はある場所で日葵と話すことにした。



「で、何で保健室なの？」

　お昼休憩、日葵を連れてきたのは静かな保健室。

　何でって言われても……。

「先生にお願いしたら隣のカウンセラー室を使わせてくれることになったから？」

　この学校は保健室の中にカウンセラー室への扉があって、そこで雑談をする生徒もいるらしい。

　先生にその事を話したら快く貸してくださったんだ。