草食男子は本性を隠していました。

 この学校は何故か養護教諭が二人もいる。

 女子担当の先生と、男子担当の辰巳。

 それに辰巳は……俺のいとこでもある。

「で、押し倒したの?大胆なことするねぇ、彼方も。」

 そう言いながらにやにやと俺を見てくる辰巳。

 それがなんとなく癪に触って、俺はふいっと視線を外した。

「別に俺が姫奈に何しようが、勝手でしょ。」

「まぁ確かにそうだがな……お前、やっぱり変だよな。」

「変でも姫奈以外にならどう思われても良い。」

 俺には姫奈さえいれば何にも要らない。

 それくらい……姫奈のことが大好きなんだ。

「先生、持ってきました。」

 その時がらっと保健室の扉を開けて入ってきた姫奈。

 そのまま俺の荷物を辰巳に渡し、ちらっとこっちを視線を向けた。

 その瞬間思い出したように顔を真っ赤にし、早口で「……しっ、失礼しましたっ!」と言って帰ってしまった姫奈にまた愛おしさが溢れてしまう。

 何であんなに可愛いのに初心なんだろ。ほんと俺を壊しに来てるって……。

 はぁ……と項垂れた俺を見て、辰巳は呆れたように息を吐いた。