Rain shadow─偽りのレヴェル─





……わたし、いつそんなことした…?

このひとを?
Foxの総長さんだよ…?

わたしなんかが助けるまでもなく片付けてしまえるはずなのに。



「あーもー、だーかーらー、……これでわかった?」


「……あっ!!」


「ほんとに気づいてなかったの?爽雨くんやっぱ変わったよ」



前髪をくしゃっと崩して、わざと重さを出して、目にかかるようにして。

取り出した伊達メガネだろうそれを取り付ければ。


───あの日、路地裏でわたしが助けた男の人が目の前にいた。



「やっぱり…!!そうだよね…!?銀髪も珍しかったし、ぜんぜん怪我してなかったから…!!」


「試したんだよ。反乱を止めるとか格好つけてたから腹立って」



じゃああれはぜんぶ演技だったってこと…?

ほんとうだ、本当に瀧が言っていたとおり、この男は化け狐だった……。



「まぁさすがの綾都くんは分かってたっぽいけどねぇ」



……どうやら気づいていなかったのはわたしだけみたいで。

だからあのとき、助けなくていいって頑(かたく)なに止めてきたのかな…。



「でも、俺が知ってた今までの爽雨くんだってあんなの無視してたはずなのに。
そんな面白いキャラになっちゃってどーしたの?」


「…僕は、偽りじゃなく本物にしたいだけだよ」


「…ふーん?」