こんな時間を、わたしは本当はお兄ちゃんにとってあげるべきだった。
だからもう失敗はしたくない。
大切なひとを失うことだけは、したくない。
「…おれは、あなたとこうして話す時間が…好きです、」
「……瀧。お前かわいいっ!!」
「うわっ…!ちょっ、そーいう意味じゃなくて…!おれは純粋な意味で…!」
「うん…!もちろんわかってる!!」
とくべつ仲良くしている友達はいないと言っていた。
中学生の時点でRain shadowの幹部入りをしてしまったから、同学年からも先輩からも良い目は送られないって。
だけどお兄ちゃんである水本 爽雨は、自分のことを弟のように接してくれた人だったと。
そこはわたしが知ってるお兄ちゃんの正義感の部分でもあったんだろう。
「───…やっぱり姉さんに似てるな、」
じゃあお姉さんの話、またいつか聞かせてね瀧。
心のなかでつぶやいた。
「お、ひっさしぶりー」
───と、今度はたまたま顔を出したアジトにて要注意人物がひとり。
くるっとUターンしそうになったけれど、もしかして本当に乗っ取られてしまったのかと不安もあって。



