『他は…?お前がしたかったこと、俺がぜんぶ叶えてやりたい』
『……いっぱい名前を呼んで、いっぱいぎゅーってして、…いっぱい、キスしてほしい、』
そんなの俺がしたかったことだ。
笑ってしまうくらい、翠加の夢は俺の夢でもあった。
『ねぇ爽雨くん、爽雨くんはいつから私のことが好きだったの…?』
『…最初から』
『最初…?でも最初は警戒されまくってたよ…?』
『……なんだこいつ、とは思ったかな。でもたぶん、そう思ってた時点で惚れてたんだ』
『ええっ!そうだったの…!?爽雨くん分かりにくすぎるっ!わっ、んんっ…、』
『…一目惚れだよ、』
ここは時間もない、リミットもない。
だから満足するまで、したいだけ、俺たちの夢は叶えられる。
これでしばらくは頑張れそうだね───、
なんて空気に変わった頃、翠加は立ち上がって俺の背中をぽんっと押した。
『爽雨くん、そろそろ行かなきゃ。みんな待ってるよ』
『…うん、いこう一緒に』
“一緒に”
おまえが好きな言葉だ。
それなのに優しく微笑んで首を横に振った翠加。
『ううん、爽雨くんはあっち』



