Rain shadow─偽りのレヴェル─





『私の大切な弟をあんなにも笑顔にしてくれるのなんか、爽雨くんだけだったんだよ』


『…うん、』


『瀧もいつも家で爽雨くんの話ばかりでね?それで私も爽雨くんの話いっぱいしてたから、我が家にいつか爽雨くんが混ざっても違和感ないね~って!』



コロコロ表情が変わって、本当に楽しそうに話すから。

俺は翠加のそんなところも好きだった。



『……え、理由それだけ?』


『えっ』


『…いや、それだけ?もっと俺の顔とか声とかさ、そっちのほうが嬉しいんだけど』


『なにそれわがままっ!!』



俺は別に瀧を笑顔にしていたわけじゃない。
俺といる瀧が勝手に笑ってただけだ。

だから俺は何もしてない。


あいつはかわいい弟みたいで、いつも爽雨さん爽雨さんって呼んできて。

こんな俺を尊敬してるとかワケわかんないこと言ってきて。


だからむしろ、そんな瀧といて楽しかったのは俺だ。



『…俺の顔、きらい?』


『えっ、いやっ、そんなことないよ…!』


『まぁ綾都のほうがイケメンだし、…でも別にそこまで悪くはないだろ、』


『もうっ!じゃあこれで分かってっ!!』


『え、───っ、!』