Rain shadow─偽りのレヴェル─





涙だらけの頬っぺたを両手で挟むと、生きている人間から生きている人間へ伝わる、紛れもない温かさがある。

その瞳のなかに、お互いの顔を映し出すことができる。



「死んでない、…瀧に守ってもらえたから、死んでないんだよ」


「っ…、」


「それでこれからも、約束なんかしなくてもあなたはきっと守ってくれるから……わたしは死なないの、」



約束なんか、しなくていい。
そんなのもういらない。

約束をしなくても誰かを守れるようになればいいだけ。


あなたはすでにそれができていた人だから、大丈夫なの。



「瀧、もうとっくにあなたは許されてる」



もうお兄ちゃんの最後の約束を守ろうとしなくていい。

もうわたしの代わりに復讐をしようとしなくていい。

ぜんぶ自分のせいだって、自分で自分を責めることもしなくていい。



だって─────、




「だってみんな、誰よりも一生懸命で優しい瀧のことが……大好きだから」




それを聞いたとたん、彼は声をあげて泣いた。



レヴェル─反逆者─。



反逆者は今日、消えた。

消えたから偽りになった。


だからあなたもわたしと同じ、偽りのレヴェルだ。