「守ってくれたんだよ、瀧」
だけどもう、約束を守れたか守れなかったかなんて、そんなのどうだっていい。
約束に縛られて苦しむ瀧の姿なんか、お兄ちゃんも翠加さんも悲しむだけだ。
「瀧は、わたしの気持ちが誰よりも分かるって言ったよね…、
それは逆もそうだよ、瀧の気持ちはわたしがいちばん分かるんだよ、」
「……おれ、は、」
「わたしだってお兄ちゃんの復讐を果たそうとしたけど…、本当はそんなのしたくもなかった、」
そっと、瀧の手を両手で包み込む。
「…ほら、こんなに……震えてる、」
わたしの頬に止めどなく流れていることに気づくと、ナイフは自然と地面に落ちた。
だからずっと巻いてくれていたマフラーを元の所持者に戻してあげる。
その傷だって、隠す必要なんか本当はないって自分でも分かってるはずだ。
もう隠さなくていいくらい、あなたは強くて優しくて、相手のことを誰よりも考えることができる男の子なんだから。
「もう十分すぎるよ瀧…、もうぜんぶ背負わなくたっていい」
「っ…、だっておれは、なにもできてない、」



