うん、言ってたね赤矢。
あなたの目は何よりも鋭いから、高いところから全体図が誰よりも見えてしまうから。
『そいつの気持ちも分かるからこそ、誰もどうすることもできへんのや』
『結局は最終的にぜんぶ崩れる未来しか見えへんねんオレには。…そんなの悲しいやんか』
わたしは瀧を疑ったことが無いわけじゃなかった。
だけどやっぱりそれでも彼だけはそうじゃないって思ってしまって。
それは今、この最悪なシナリオになってしまったうえでも変わらず持っている気持ちだ。
「鬼木が終わった今、……残るはあんただけだ、久遠 綾羽」
「…爽雨を殺したのは俺じゃない、」
「そんなの知ってんだよ、……けど、あんたがいなければ姉さんも爽雨さんも死ななかった、
…深雨さんだって、こんな目に遭わなかった……っ!!」
同じセリフを鬼木に言われて座りこんでいた瀧が脳裏に浮かんだ。
瀧、もういいの。
もうぜんぶ終わったんだよ。
約束を守ろうとするためにそんなにも自分が傷ついてどうするの。
「おれはあんたを───…殺す!!」
「もうやめろって瀧……っ!!」



