Rain shadow─偽りのレヴェル─





果たし状……、

そんなものもあったと、思い出した。



「あなたが絡めば久遠 綾羽に隙ができるんじゃないかって、おれはいつだって見計らってた」



見計らってた、こうして殺す日を───。


彼は毒を持っている蛇だから、気づかないうちにじわじわきて最終的には残酷な結果が待っていると。

最初の頃、佐狐は言っていた。



「じゃあ…あのとき退学させた生徒は、」


「…意味もなく退学させられた捨て駒に過ぎません」



つめたい目だった。

感情を揺さぶられない目、それ以上の覚悟を胸に秘めた目。



「……なんで…そんなこと、」


「それくらいおれには果たさなきゃいけない約束があった、それだけです」



約束のためなら手段を選ばない───と。


この子にとって“約束”とは、いったい何なのだろう。

どうしてそこまでして守らなければいけないんだろう。



「これが毒蛇だよ。俺が言いつづけてた意味、わかったでしょ?爽雨くん」



佐狐は苦しそうに笑った。


そうなると彼はずっと瀧の下について化けつづけていたってことだ。

何度も何度もわたしにヒントをくれながら、やっぱりそれはすべて“瀧を救って”というSOSだったんだと。