さっきからあなたは誰に言っているの。
誰に、そう言って詫びているの。
まだその上がいるみたいな言い方だから、完全には油断ならなくて。
まるで本物のレヴェル───真の反逆者がすぐ近くにいるんじゃないかと思わせてくるものにしか聞こえない。
「仲良くしよう、恨みっこナシでさ。そんなのしたって翠加も爽雨くんも喜ばないだろうし」
そして彼はとうとう視線を移した。
わたしじゃなく、久遠くんでもなく、赤矢でも霊池先輩でもなく。
この時間、ずっとずっと黙っていた存在へと。
「もうやめにしようよ、─────瀧。」
だれが最初に飛び出たんだろう。
なぜかわたしの近くにいたはずの瀧は、さっき佐狐が自ら蹴って離したナイフの位置に立っていて。
そのナイフを手にして走り向かってくる。
わたしから少し離れた場所に立っていた、久遠 綾羽の元へ。
「───綾都…っ!!」
「っ、瀧……っ!」
シュンッと切りつけられたナイフ。
相手に触れた反動はあったみたいだったが、主犯側が満足するほど深いものではなかったらしく。
たらりと、受けた側の頬から垂れる赤色。
「……あぶねぇだろ、なにしてんだよ瀧」



