「………は…?死んだ…?なに言ってん、爽雨ならここにおるやんか、」
「……どういう…ことだ、」
「はあ…?じゃあ誰やねん…?おい、もしかしておまえ亡霊なん……!?死んでるん!?」
困惑しているのは、そのふたりだけ。
どうやら真実を知っていたのは、もうひとり居たらしいのだ。
焦った顔をしながら向かってきた赤矢はガクガクとわたしの肩を激しく揺らした。
「赤矢、仁くん。その子は爽雨くんじゃないよ。…彼の双子の妹だ」
わたしの肩を掴んでいた力が、聞いた途端にどこか納得したように緩まって。
それはたくさんの兄妹を持つ彼のやさしい一面。
「…死んでるんだよ、とっくに。爽雨くんは大きな事故をしたときに死んでる」
「……いみ……、わからへん…、」
いつかに彼は言っていた。
初めてわたしが佐狐 遼成という男と、まと
もな会話ができた日。
『落ち着いて結べばひとつなのに、みんなぐしゃっとしちゃうんだから』
佐狐、わたしはあの言葉を聞いたとき、あなたは悪い人ではないと思った。
「生徒手帳を奪ったのは俺。あんたのことを知りたかったんだよ綾都くん」



