Rain shadow─偽りのレヴェル─





「…また…おれは約束を守れなかった…、」



顔を歪ませて泣きそうにつぶやいて、立ち上がった。

みんなはどこにいるんだろう。
どうして瀧だけなの、久遠くんたちは。



「ぐ…っ、相変わらずめんどくせェ戦いしやがるガキが…!!」



強い、確かに瀧は強い。

さすが実力だけでRain shadowに立った人間だと思った。

かつてViperの総長だった鬼木の下にいた人間だから尚更、その男から向かってくる攻撃を読んでいる。


だけど、相手が手にするナイフが怖いのだ。



「は……ッ、」


「瀧…っ!!」



かすった右腕。

白いシャツがじわっと赤色で滲んでゆく。



「…大丈夫です、浅いから、」



そうは言っているけれど、浅いにしては様子がおかしい。

汗ではなく冷や汗のようなものが垂れているし、右腕を庇うような戦い方に変わっていて。



「……っ、」


「お、やっと効いてきたな」



効いてきた……?
どうしてそんなに鬼木は笑っているの…?

それに瀧、もう完全に右手を使っていない。