Rain shadow─偽りのレヴェル─





なにを消したんだろうと気になって、わたしは鉛筆で薄く上から塗りつぶしてみたの。

ほら、消した文字はそうすると浮き出るって聞いたことがあったから。



愛してる、翠加。
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弱くてごめん、もうおまえに会いたい、
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たとえそこが地獄でも、俺がずっと一緒にいてやるから、、
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そこには兄の不器用でどうしようもない、精いっぱいの想いが綴られていた。


紛れもなく相思相愛だったんだ。

翠加さんとお兄ちゃんは。



「……い、…ちゃん、」


「あー?さっきからなにごちゃごちゃ言ってんだよ」



会いに行きたかったんだね。

10階のビルから、あなたは空を飛んで、愛する翠加さんのところへ。

その先の世界だとしても、それほどまでに彼女の傍にいたかったんだね。



「おにいちゃんは……、わたしのお兄ちゃんは…愛し合ってた……っ!!
翠加さんと…っ、愛し合ってた……っ、」


「…お兄ちゃん……?」


「鬼木…、わたしはお前を許さない…っ、ぜったいゆるさない、」


「……おい、お前まさか、」