Rain shadow─偽りのレヴェル─





──────……繋がった。


どうして彼女がアヤハを呼んだのか。

逆にアヤハとしか、言わなかった理由。


彼は、お兄ちゃんは、真実を知らないまま死んでいったってことだ。



「っ……、ぅ…っ、」


「おいおい、まーた泣いてんのかよ」



お兄ちゃん、あなたは愛されていたんだ。


久遠くんも言っていた。
翠加は爽雨に惚れてたって。

親友の彼が言うくらいなんだよ、わたしもそこは間違っているとは思えない。



「…アヤハは、通じない、」


「あ?」



そういうことだったんだ……。

最期の最後まで彼女がお兄ちゃんを呼ばなかった理由。

こいつらの前で名前すら出さなかった理由。


アヤハって言えば、この場所には誰も来ないから。

そして何より、“アヤハ”はRain shadowにもいない存在だから。


“アヤハ”を使えばお兄ちゃんと久遠くんだけじゃなく、Rain shadowみんなを守れてしまう。



「通じないから……呼んだんだ、」



それはわたしが久遠 綾羽を殺せなかった日。

何度も何度も捲ってきた兄の日記、最後のページに、書いて消された文字があって。