Rain shadow─偽りのレヴェル─





どうしてこんなことをするの。

あなたにされる度に、必ず思っていた。


どうしてそんなに愛しそうに見つめて、こんなに優しいキスをしてくるのって。



「やだっ、やめて……っ、」


「やめない」



軽々と抱き上げられたかと思えば、どこか他の目的地でもあるのか迷いなく進んでゆく。

もっと暗い教室の扉が開かれて、ぽすっと柔らかいベッドに背中から落とされた。



「っ、やっ、んぅ…っ」



この状況下で思うには、はしたない女確定かもしれないけれど。


最近すごく……キスが多い。


いちばんに思い浮かんでしまう存在は、今を除いて直近で瀧だった。

あの子は、1度許してしまうと遠慮を知らない子。



「…だれのこと考えてんの」


「っ…!」


「俺のことじゃねぇだろ」



怖く感じた。

どろりと、綺麗ではない感情が入り交じった目をしているのに、動きは優しい。


そんなものが逆に恐怖を与えてくる。


覆い被さられて、脱がされていく制服。

ブレザー、ネクタイ、シャツ。
カチャッと外されるベルト。

暗闇のなかでもひとつひとつが剥がされるように。


爽雨から深雨へ、戻されてゆく。