Rain shadow─偽りのレヴェル─





この男は最高司令塔。

そんな男が折れてしまえば、彼が作ったRain shadowは終わるも同然。


それでもわたしは久遠 綾羽がいるRain shadowなんか壊したい。

お兄ちゃんが作ったものをぜんぶ奪った男なんだ、この人は。



「そこまで長くはなかったけど、想像してたよりずっと力のある組織になった。
…それに誰かさんの双子の妹がほんとに反乱を収めてくれるとも予想外」



どうして、どうしてそんなにも普通にしているの。

なにか知っているなら話せばいい。

あなたにもあなたの言い分があるなら、最後くらいは聞いてあげる。


だって分からないことだらけだ。

どうしてわたしはこの男にナイフを向けているんだろうって、気を緩めたら考えてしまう。



「…久遠 綾羽は…、あなたの亡くなったお兄さんの名前じゃないの…?」


「はは、そんな男はいねぇかな。適当に作った架空の兄貴で、そもそも俺は一人っ子。
俺だよ、俺が間違いなく久遠 綾羽」



────……認めた。


完全に、わたしの目の前にいる男は久遠 綾羽で間違いないのだと。