ざまぁみろって?
そうやって名前を呼んでいる裏側で、あなたはいつも笑っていたんでしょう。
『翠加はお前じゃなく、アヤハを選んだ。最期の最後までアヤハの名前を呼んでたんだぜ?』
『結局アヤハにも俺にも勝てなかったてめェは、惚れた女すら守れない負け犬以下ってことだな』
水本 爽雨を殺したあなたは、その双子の妹が代わりに爽雨になったところをいつも傍で見て。
馬鹿だなあ、無様だなあ。
俺がお前の兄貴を自殺まで追い込んだのに騙されてここに来てやんのって、心のなかではいつも蔑んで笑っていたんでしょう。
『そういやあの日も泣いてたよなァお前!!!惚れた女を俺に殺されて、その男をてめェは殺せなくてよォ!!なあ!!?』
だから名前を変えてまで、わたしを馬鹿にしていたの……?
キスだって、ぜんぶがそういうことだ。
「…ふざけないで……、」
そんなの最低だよ…。
消えかかっていた覚悟が、少しずつ戻ってくるような感覚がした。
「は…っ、はぁ、」
「深雨?どうした?」
「っ、さっ、さわらないで……っ!!!」
パシッ───!!
「……、」
今までは安心しかなかったその手を、勢いよく払った。



