言われてみれば逆だと思った。
不良高校のトップに居座るなら、どんなものにも縛られない象徴として逆に私服であるのがRain shadowじゃないかって。
それでも“あえて”逆なのだと、赤矢は言った。
『数人が揃って制服着て、通学スタイルやって基本は徒歩、バイク乗らせんのは下っぱ。どっからどう見ても普通の高校生やん』
───やけど、
『蓋を開けてみれば実際は朱雀で天下取ってんねんで。ぞくっとせえへん?
オレはそれ客観的に見たとき、ほんまに怖かったわ』
そのときはぼんやり聞いていたけれど、改めて考えてみると怖くなった。
説明できない恐怖があとからじわじわと追いかけてくる感覚だ。
『オレが単なるチンピラやったら、下手に絡みたくない奴ぶっちぎりやな』
『…はは、お前が言うのか赤矢』
『アホ。オレだからこそ言えんねん』
そんないつかの会話を思い出しながら、わたしは瀧を待つあいだ時間つぶしにお片付けをすることに。
「……あ、」
ポトンっと。
雑誌の間に挟まれていたのか、持ち上げた瞬間に落ちた小さな手帳のようなもの。
「これ…、」
生徒手帳だ、間違いない。



