Rain shadow─偽りのレヴェル─





お兄ちゃんと瀧が……って想像すると、妹としてさすがにちょっと複雑っていうか。

いやいや否定してるわけではないんだけど……、今の爽雨はわたしだから。


それもそれでうまく回せるかどうかの心配や不安もあるわけで……。



「……爽雨さんは、元気ですか、」



すると、なぜかわたしに聞いてくる。

気分を紛らわせようとモグモグ動かしていた口は、ピタリ。



「え、僕…?うん、僕は元気だけど、」


「…なら問題ないです、」



ええええ、どういうこと……。

まったくわからない。
いや、わからなくも……ない。


でも瀧……、本当にお兄ちゃんに恋しちゃってるの……?



「ち、ちなみに瀧はどんなタイプが好きだったりする…?」


「……おれは、あなたみたいな人が、」



………うん。
これはもう、そういうことだ。

なにを言ってもお兄ちゃんラブな気がしてきた。



「……たき…?」



撫でて…きてる……。

わたしのほっぺたを、優しく、ぎこちなく、けれど熱い手のひらで。



「…そろそろ行きますね、おれ」


「あ、うん、」


「じゃあ、放課後」



マフラーをなびかせながら戻ってゆく後輩。

わたし、水本 深雨。
やっぱりお兄ちゃんにはなれないと確信。