本物の水本 爽雨はすでに亡くなってる、なんて。
そんなの淡い気持ちを壊すうえに、その上から容赦なく踏みつぶすような現実だ。
「ねぇお兄ちゃん、お兄ちゃんだったらどうする…?」
空につぶやいてみても返事はない。
せっかく晴れてるんだから、少しくらい妹にアドバイスしてくれたっていいのに…。
彼はきっと天国で翠加さんとのびのび日向ぼっこでもしているんだ。
「いやいや考えすぎだよ。そんなはずない、きっとわたしにしか言えない悩みを打ち明けたいのかもしれないし…」
それもそれで恋愛のことだったらアドバイスできるほど経験なんかないしなぁ…。
どっちもどっちだ……。
なんだろう、なぜか落ち込む…。
「爽雨さん、」
………と、今にも考えていた後輩から呼ばれてしまった。
複雑な気持ちをどうにか空へ放っぽって、ベンチに近づいてきた瀧を見つめる。
「ど、どうしたの瀧」
「いえ、とくには。今日はここで食べてるんですね」
「あ、うん。たまにはいいかなって。…瀧は?もう食べた?」
「はい、おいしかったです」と言いながら、わたしの隣に座った。



