深雨から爽雨に戻って、手にしたお弁当を抱えて逃げるように中庭へ走った。
そもそもわたしはお昼ごはんを食べに向かってたの!!
こんな不良高校でも中庭の花壇には花が少しだけ植えられていて。
目にも入らない不良たちは毎回スルーしてるから、とくに害は与えられずのびのびと咲く花たち。
「…うん、おいしい、」
花壇の前、気持ち程度に設置されたベンチに座って広げたお弁当。
友達と食べるのも楽しいけれど、たまにはこうしてゆっくりひとりで食べる時間も落ち着くものだ。
「……」
よく見るとガラスの破片がいっぱい落ちてるけど。
「…告白だったらどうしよう……、」
瀧のこと、そういうふうには見れそうにないって、僕は女の子が恋愛対象だからって。
そんなふうに断る……?断れる……?
瀧にとっては大切な気持ちなのに……?
瀧はわたしのことをお兄ちゃんだと思っていて、もしそんなお兄ちゃんのことが好きだったとして。
でも今の爽雨は本当は男装した双子の妹という、とんでもない爆弾だった……なんて。
「…それに……、」



