わざとらしく鬱陶しそうにしつつも画面を見せてくれる爽雨さんは、双子の妹のことも大好きなんだろうと。
だけど素直じゃない性格が言葉に出せなくなってしまうらしい。
でも、その表情と行動だけで彼の大きな愛情はちゃんと見ることができるから。
『───……かわいい、』
『…え、まじ?お前もなのかよ瀧』
『えっ、あ、いや、』
咄嗟にマフラーで緩んだ口元を隠した。
女の子に対して“かわいい”なんて思ったのは初めてだし、まさか口に出てしまっていたなんて。
『すげー、俺の妹に初のモテ期が到来してる』
……他にも、いるのか。
この女の子を見ておれと同じような気持ちを抱いた男が。
『…あの、名前はなんていうんですか、』
『……みう。深い雨って書いて、深雨』
『…深雨…さん、』
おれはこの名前を聞けば爽雨さんのことも思い出せるし、爽雨さんを見ると深雨さんの顔が浮かぶようになってしまった。
『こいつ昔は年下からもいじめられてたからさ。いつか会わせてやるから、仲良くしてやって』
『はい、そのときはおれが守ります。絶対に泣かせません』
『ははっ、頼んだ瀧。…約束だからな』
だからそんな双子の妹が“爽雨さん”として目の前に現れたとき、おれはすごく嬉しかったんだ───。



