『…とくに変わらず、です』
『相変わらず賑やかってこと?』
『はい、おれが大切に確保してたお菓子とか勝手に食べますし…、
でもなんか本当に幸せそうなんで恨めないからタチ悪くて、』
『ふっ、ははっ、翠加らしいな』
おれとの会話の半分以上は姉さんのことだった。
そのときの爽雨さんは、いつも冷静を装う参謀とは思えないくらい年相応にコロコロと表情が変わる。
そんな彼を見るのはおれも嫌いじゃなくて。
『…好きなんですね、姉さんのこと』
『は…!?いやっ、俺はっ、』
『お似合いだと思います。姉さん、家でも爽雨さんの話ばかりですから』
『……そう、なのか。まじか、…やった、』
もちろんおれは応援していた。
いつか、もしずっと先の未来で、おれの義理の兄さんとなる人が爽雨さんなら文句もない。
むしろ嬉しさしかなく、そんな未来を頭の片隅で勝手に夢見ていた。
『ぜひ今度うちに泊まりに来てください。姉さんも喜ぶと思うから』
『………は!?いやそれは駄目だろ!いろいろとっ、』
『ふっ、ははっ』
『……からかったな瀧』
こうやって話す時間が好きだ。
おれは仲間はたくさんいるけど友達はひとりもいないから、爽雨さんをそう呼んでいいなら呼びたいと常々思っていた。



