『も~!爽雨くんっ!ほら瀧も!』
『っ…、おい翠加、』
『…!姉さん、』
おれと水本さんの手を取って、ぎゅっと繋いでくれたのは姉だった。
その瞬間、さっきまで警戒していた男の表情が誰よりも優しいものに変わって。
やっぱり姉さんの言ったとおり、おれはこの人といちばん仲良くなれると思った。
『瀧、これあげる』
『え、いいんですか、』
『自動販売機で当たったんだ。俺、柑橘系はあまり飲まないから』
『ありがとうございます』
それからおれは爽雨さんに会いにいくようにRain shadowへ顔を出した。
おれは中学でViperの幹部にまで上り詰めたこともあって、周りから一目置かれると同時に嫌われる立場でもあったから。
こんなふうに姉さんのような眼差しで見てくれる人は他にいないんだろうと思っていた。
でも爽雨さんはViperの人間ではなく、ただの中学生として、まるで弟のようにおれのことを見てくれて。
『瀧、あのさ、…翠加って家ではどんな感じ?』
周りをキョロキョロ確認して、おれたち以外の人間はいないことを確認すると珍しく顔を赤くさせて聞いてくる爽雨さん。



