Rain shadow─偽りのレヴェル─





『この子、私の弟の瀧!大人しいけどすっごく素直でいい子だから仲良くしてあげて!』


『…よろしく…おねがい、します』



姉さんに連れられて、朱雀工業高校に初めて足を踏み入れた中学3年生の秋。

もちろん高校はここに入学する予定だったし、Viperだってそろそろおれの手に渡ると言われていた。


少し早い体験入学的な気持ちで、Rain shadowしか入れないと言われているアジトへ特別通してもらった。


それまで話では聞いていたから知っていて、義姉が関わっていることも知っていて。



『───それで最後が爽雨くん!ちょっと瀧と性格似てるとこあるから、きっと仲良くなれるよっ』



ひとりずつ紹介してくれた姉さんには申し訳ないが、おれは水本 爽雨という人間とだけは分かり合えないと思った。


今だっておれのことを警戒心の塊で見てくるし、烏間さんや佐狐さんのような賑やかさもなくて。

かといって霊池さんみたいな物静かさとはまた違う。


その絡みづらさと言ったら、まだクールを貫く久遠 綾都のほうがいいと思ってしまったくらいだ。