「足だけパシャパシャしてる」
「……」
すっごいかわいいことしてる…。
いまのは佐狐の言い方もズルかった…。
あれは確実に母性がぎゅーんっと上がる背中だ。
うん、瀧はそのままでいてほしい…。
「っ、綾都!瀧のほう行こっ!」
「…それ、瀧がいなかったらすげぇ嬉しいんだけど?」
なんて声は聞こえないふり。
ぐいっと手を引いて海へ向かった。
この広い海の先には、お兄ちゃんと翠加さんだって見守っているはずで。
「瀧!」
「爽雨さん、……と、綾都さんまで」
「おい。なんだその“ついで”みたいな言い方」
「…別にそういうつもりじゃないです」
間近で見る海は、思っていたより綺麗な色をしていた。
本当だったら女の子の水着を着ておもいっきり遊んでたんだろうけど……ここは仕方ない。
「爽雨さん、」
「ん?───つめたっ!おー、やったな瀧!」
「わっ、」
軽くかけられた海水。
瀧がまさかそんなことをしてくれるなんて、わたしも加減をしながらお返し。
「へへーん、参謀を怒らせると怖いんだぞ」
「…ふっ、」



