………だれ?
今わたしの隣で爽やかに笑っている男はどちら様なの……。
こわい、怖すぎる、こんなにも関西弁が聞こえなくなることが怖いなんて。
「でも、お袋が出て行って親父も忙しくなって、まだ小さかった赤太と赤帆が大泣きですげー大変で。
それで1回だけ親父の真似して関西弁使ってみたら、それがもう大ウケよ」
「…じゃあ、それから続けてるだけってこと…?」
「せやで?」
「……」
たぶんこれは、どこかに生息しているRavenの総長である烏間 赤矢のファンである女の子たちが聞いたら卒倒してしまう会話だ。
そもそも赤矢が標準語ってのも色々すごいのに、急な関西弁の破壊力はそれを超してきた。
わたしでも一瞬ドキッとしてしまったくらいに。
「爽雨、おまえ、怪我の影響で少し記憶ないんやろ?」
「え?あぁ、うん、」
「ほんなら……翠加のことも忘れちまったんか、」
どう答えればいいか迷ってしまった。
迷ってしまったから、どちらとも取れない微笑みしか返すことができなくて。
「みんなー、カレーできたよ~!」
「わーいっ!!おいしそうっ!」
「オレいちばんっ!!」
「あっ、おい赤太!みんなでいただきますしてからやって言うてるやろ!!」



