だからこの想いは、好きというより憧れだと思っていたんだけど……。
「マジで……?」
「うん。マジです」
距離感にドキドキしたり、ギャップにときめいたり。
もしかして自分に気があるのかな?
なんて、身の程知らずな勘違いをしていることに気づいてしまったんだ。
「本当は去年から気になってたの。でも……広川くんはみんなのものだから、私みたいな一匹狼と釣り合わないって思ってた」
「釣り合わない⁉ それは俺のセリフだよ!」
大きく声を上げて、ギュッと両手を掴まれた。
「しっかりしてて勉強できるし、委員会の仕事もいつも頑張ってるし。かっこいいなぁって思ってた」
真っ直ぐな目で見つめられて、トクンと胸が高鳴る。
私、そこまで出来た人間じゃないんだけどな。
でも、嬉しい。
「この際だから言うけど……毎週金曜日に来ているの、桧村さんに会えるからだったんだよ」
「ええっ⁉」
嘘でしょ⁉ 花金を楽しむためじゃなかったの⁉



