【短編】保健室の常連客


まん丸に見開いた目をじっと見つめる。


以前広川くんも、お詫びとしてジュースをくれたから、自分も何かしないと。
じゃなきゃこの罪悪感は消えてくれない。


少し考えるように黙り込んだ後、再び目を合わせて話し始めた。



「本当のこと言うと、全然話せなくて少し寂しかった」

「……ごめん」

「でも俺も、やつれた顔で会いたくなかったから逃げてた。ごめんね」



初めて聞いた、彼の本心。

胸に刺さって痛むけれど、自分が言い出したんだから、全部受け止めなきゃ。



「あと、迎えが来るまでここにいてくれる?」

「うん、いいよ。誰が来るの?」

「お母さん。パートが終わったら来てくれるって。あと20分くらいかな」



うっ、お母様が来るのか……。

大切な息子さんの健康を害してしまった私が、会ってもいいのだろうか。

緊張するけど、知らないで会うよりかはマシだし。聞いておいて良かった。



「最後に……俺と付き合ってくれますか?」

「うん。……えっ?」