だけど……。
「ありがとう」
「おお……! ツンツン桧村に感謝されちゃった!」
「うるさいなぁ! 今日だけなんだからね!」
「はいはい、ツンデレ恵理ちゃん」
「……馴れ馴れしいなぁ」
今日は、その笑顔に救われたから、お礼を言っておいた。
……仲直り、できますように。
◇
ホームルームが終わり、保健室にやってきた。
ドアの前で深呼吸を繰り返す。
大丈夫。
ここに来る前、武田くんに背中バシッて叩いてもらったから、多分緊張は吹っ飛んだ。
──コンコンコン。
「失礼します」
「はーい。あ、恵理ちゃん!」
意を決してドアを開けると、先生が明るく出迎えてくれた。
「あの、広川くんは……」
「大丈夫! 2時間ぐっすり眠ってもらったから、今すごく元気よ!」
閉まっているカーテンに視線を移す。
先生の声が響くくらい、めちゃくちゃ静かだけど……元気ってことは、もう起きてるんだよね?



