もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

後腐れなくきれいに関係を清算し、今も友人として──多くの貴族の情報を得る手段のひとつとして、うまくやっている手腕にはグランツも舌を巻いている。

問題はアルドに婚約者がいるということだ。刹那の恋人たちはそれを知っていて、結婚までの間にアルドとのお遊びを楽しむわけだが、肝心の婚約者はなにも知らないでいる。

「お前でなくとも、彼女のもとにほかの男を連れて行きたくはない」

 グランツが目を伏せてつぶやく。

「なんだ、立派に独占欲なんか抱くようになったのか。成長したな、グランツ」

「茶化すな。……怖がらせたくないんだ」