もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「傷ついた者にすぐ手を差し伸べられる人なんだ。自分よりも他人を気遣いすぎるきらいはあるし、人に慣れていないのか警戒心も強い。それでいて押しには弱くてな。いきなり求婚した俺を、戸惑いながらも受け入れてくれている」

「受け入れてくれている? 受け入れさせているの間違いじゃないのか?」

 アルドに鼻で笑われ、グランツは苦笑した。

「そうかもしれない。そういった点では、彼女の弱みに付け込んでいるのと変わらないな」

「……やっぱりどうかしている。社交界でも有名な、紳士的で優しいノイフェルト卿はどこへ行ったんだ」

「失礼な。彼女の前では常にそうあろうと気をつけている」