もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです



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 ノイフェルト邸に帰宅したシエルは、まだ心配そうにしていた。

 ソファに座ったグランツの隣に腰を下ろし、彼の顔を覗き込む。

「あんなに大勢と立ち回って、お疲れではないのですか……?」

 団員たちと〝軽く〟運動したグランツの表情は清々しい。

「あのぐらい日常茶飯事だ。あいつらも久々に死ぬほど動き回って気が紛れただろう。しばらくあんなふうにやり合えなかったからな」

 グランツが遠くを見るように目を細める。

「今日はここ最近で一番明るい一日になった。……悲しみを乗り越えるきっかけの日となればいいが」

「……そうですね」

 団員たちはシエルの前で悲しむ姿を一瞬も見せなかった。