* * *
ノイフェルト邸に帰宅したシエルは、まだ心配そうにしていた。
ソファに座ったグランツの隣に腰を下ろし、彼の顔を覗き込む。
「あんなに大勢と立ち回って、お疲れではないのですか……?」
団員たちと〝軽く〟運動したグランツの表情は清々しい。
「あのぐらい日常茶飯事だ。あいつらも久々に死ぬほど動き回って気が紛れただろう。しばらくあんなふうにやり合えなかったからな」
グランツが遠くを見るように目を細める。
「今日はここ最近で一番明るい一日になった。……悲しみを乗り越えるきっかけの日となればいいが」
「……そうですね」
団員たちはシエルの前で悲しむ姿を一瞬も見せなかった。

