もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 ラークを見れば、グランツが弟をどれだけ大切にしているかがわかる。シエルも義理の弟にとって、恥じない姿を見せねばならないだろう。

「ラークを連れてイルシャたちのもとへ向かおうと思うんだが、君はどうする?」

 グランツに尋ねられ、シエルは立ち上がった。

「ご一緒します。ラーク様とももっとお話をしたいです」

「君の弟になるんだから、呼び捨てでいい。……いや、先に俺を呼び捨てにしてからだな」

 彼が望むならとシエルは口を開きかけたが、今までよりもぐっと距離が縮まる気がして気恥ずかしくなり、結局なにも言えずに終わった。



 その夜、シエルは用意された部屋ではなくグランツの部屋にいた。