もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 肩に力が入っているが、頬は紅潮している。シエルが笑いかけるとさらに赤くなり、もじもじしながらうつむいた。

「ラ、ラークと言います。義姉様にはご機嫌うるわしゅう……」

 どこで口上を覚えてきたのか、やけに片言だった。

 シエルまでなんだか緊張してしまって、ぎこちなく頭を下げる。

「シエルと申します。グランツ様の妻として、こちらでお世話になります」

「二人して固まらないでくれ。俺もどうしていいかわからなくなる」

 苦笑したグランツがラークにシエルを紹介する。

 聞いているうちに気が緩んだのか、ラークはちょっぴり好奇心を顔に浮かべて兄に言った。