もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「もちろんだ。俺の許可を取らなくていい。もうここは君の家でもあるんだから」

 グランツが弟を呼びに部屋を出て行くと、シエルは少し緊張した面持ちでソファに腰を下ろした。

(もう大丈夫だと思ったけれど、やっぱりグランツ様以外の方とお話するのは難しいわ……)

 警戒せずに他人と接せられるようになるまで、まだまだ時間がかかりそうだ。それもいずれ、グランツとの生活の中で改善されるのだろう。

 しばらくして扉が開き、グランツとその弟のラークが姿を見せた。

「弟だ。ラークという」

 簡潔な説明を受け、シエルはまじまじと義弟を観察した。