もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 拗ねたように言うのがおかしくて、シエルはくすくす笑う。

「今はもう大丈夫でしょうか。もしもそうなら、魔女ではないと信じてもらえるように頑張ります」

「まだ君を魔女だと言う者がいたら、俺が代わりに相手をしよう」

 グランツはシエルの腰を抱き寄せると、愛おしげにこめかみをついばんだ。

 シエルはくすぐったがって恥じらっているが、執事を含め、様子をうかがっていた使用人たちは衝撃を受けている。

(あのグランツ様が?)

(同じ姿の別人では?)

(キスの仕方も知らないかと思っていたのに)

 そんな使用人たちの様子には気づかず、グランツはシエルを連れて自室へ向かった。