もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 ふ、とシエルが頬を緩めて言う。

「私が言葉にする前に解決させてくれるところが、とってもグランツ様らしいです」

「ん? そうか?」

 聖獣として名が知れ渡った今なら、イルシャとミュンも人々に受け入れてもらえるだろう。

 シエルは恋人だけでなくその支えとなった二匹にも気を配るグランツの優しさを、心からうれしく思った。

「それで、私たちはいつグランツ様のもとへ行けばいいのでしょう?」

 そわそわと言ったシエルに、グランツは明るく返事をした。

「今すぐだ。これ以上は俺が待てない」



 慌ただしくノイフェルト公爵邸にやってきたシエルは、想像以上に手厚く迎えられた。