もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「次はグランツ様が煤の森へ来てからにしましょう? その頃なら、私も慣れていると思います」

「慣れる? 俺がいないのに、誰とするつもりなんだか」

「言葉のあやというものです!」

 グランツに笑われて、シエルは再び恋人を睨んだ。

「どうしてそんなに意地悪をなさるのですか? 私の知っているグランツ様は、もっとお優しい方でしたよ」

「それを言うなら、俺の知る君はもっとおとなしい人だった。こんなにころころと表情が変わる人じゃなかったはずだぞ」