もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 二匹の魔獣──今や聖獣となった獣たちが同時に鳴いた。ミュンの声はまだ子魔獣だった頃の高さを残している。

 シエルの言葉を聞いても、グランツはまだためらっていた。

「ここで別れたら、次はいつ会えるかわからない」

 これまで彼は数日おきにシエルのもとを訪れていたが、やらなければならないことの多さを考えるとそれも難しくなる。

「大丈夫です」

 シエルは再び言うと、グランツに笑いかけた。

「だってグランツ様は、絶対に迎えに来てくれますから」

 戦場に向かったグランツは約束通り、シエルのもとへ戻ってきたのだ。

 だからシエルは、彼との短い別れを受け入れられる。