もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「私は、私の大切なものを守るためなら魔女にでもなんでもなってみせる。試したいのなら試せばいいわ。グランツ様を傷つけたこと、絶対に許さないんだから」

 ラベーラはシエルが本気で怒っていると、ようやく理解したらしかった。

 わなわなと震えながらシエルを睨みつけるが、本当に彼女が魔法の力を行使したらと考えたのか、なにも言わずに唇を閉ざす。

(本当はもっと早く、ラベーラ様を拒まなければならなかった)

 ここにいるシエルは、もうラベーラの知っている〝親友(にんぎょう)〟ではない。彼女はグランツと出会ったことで、本来あるべき自分を取り戻している。