もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 ラベーラの声は、その場にいる人々の心にぞっとするほど甘く届いた。

 彼女の言葉は正しいのかもしれないと、あんなにも重い刑罰を望んでいたはずの者たちが戸惑いの声をあげ始める。

 長年、被害を与えられたシエルの頭にもラベーラの減刑がよぎったほどだった。

(新しい争いの火種になったら、またグランツ様が戦場に駆り出されてしまう……)

 今回以上に多くの命が奪われるかもしれないと感じ、恐れたシエルが喉を震わせた瞬間、隣に立っていたグランツが静かに言う。