もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 そうだ、という声があちこちから湧き上がる。

 ラベーラは周囲に敵しかいない状況にもかかわらず、鈴を鳴らしたような美しい声を響かせて笑った。

「なぜ? どうして? ……私がいつ、おまえに質問を許したのかしら?」

「ラベーラ様……」

「そうね、よく考えてみて。父は私を見放したけれど、救えるものなら救いたいと思っているのは間違いないわ。これまで私にすべてを許してきた時点で、どれほど溺愛しているかわかるでしょう? そんなに愛された私を殺せば、リンデンとセニルースの新しい争いの火種になるのではなくて? だったら、五体満足でセニルースに帰したほうがリンデンにとっても都合がいいはずよ」