もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

(万全の状態で、ということなのよね。きっと。まだ落ち着いていないことも多いし、焦ってはだめ。グランツ様だって、ずっと私の気持ちを待ってくださっていたのだから)

 グランツはこの場でしてしまうかどうかかなり悩んでいたが、あと少しのところでなんとか理性を繋ぎとめている。もちろん、シエルは彼の葛藤を知らない。

 念願のキスを果たした後に彼が自分をどうするつもりなのかも、シエルにはわからなかった。



 シエルが目覚め、グランツの怪我もほぼ完治してから数日後。

 大罪人ラベーラの裁判が行われる日がやってきた。