もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

 トーレイが立ち去ると、グランツは一通り宿舎の騎士たちに声をかけて回った。団員たちがほっとした様子を見せるたびに、グランツは自分の背負ったものの大きさを実感する。

(シエルも不安そうだった)

 しばらく会えないと伝えた時、シエルは心細そうにグランツを見つめた。

(……必ず迎えに行かなければ)

 また彼女が煤の森でグランツを待って、ひとり寂しく泣くようなことがあってはならない。

 無事にシエルと再会しようと、グランツが決意を新たにした時だった。

「団長! 大変です!」

 蒼白な顔をした騎士がグランツのもとへ駆け寄る。

「どうした」