もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです

「……すぐには難しいでしょう。真実を公表するなら、その場も用意しなければなりませんし」

 意外にもラベーラはアルドの提案を飲もうとしていた。

(『愛』ってそんなにも重いものなの……)

 シエルとグランツの間にあるものはもっと穏やかで温かいのに、ラベーラがアルドに抱くものはとてもそう見えない。

 たとえ破滅しようとただひとりの願いを受け入れる姿は、シエルの目に自分自身と重なった。

(私がもし、『人間らしく』なれなかったら)

 シエルも自分に構わず、乞われるまま願いを叶え、従ってきた。流されて受け入れるばかりの自分でい続ければ、グランツとの関係もいびつになっていたのかもしれない。